神奈川県警察協力歯科医研修会を開催しました。｜相模原市橋本で総合的な歯科治療なら原歯科医院へ

院長コラム 2022年10月24日

　令和4年10月23日（日）に鶴見大学を会場にして神奈川県警察協力歯科医研修会を開催しました。

　私が所属する神奈川県歯科医師会警察歯科委員会が神奈川県司法警察活動協力機構の協力の下、鶴見大学を会場にして神奈川県警察協力歯科医、県警、海上保安庁、海上自衛隊医官などを対象にして身元不明死体の歯科的鑑定を行うための研修・実習を行いました。研修に当たっては鶴見大学の佐藤慶太教授、勝村聖子准教授、東京医科歯科大学の櫻田宏一教授、千葉大学の斉藤久子准教授にもご指導をいただき、一日で研修できる様に濃い内容をギュウギュウに詰め込んだ研修でした(^_^;)　

　私も運営側の人間として参加しましたが、受講する皆さんの真剣な姿勢に感銘を受け、自身も益々の精進を積みたいと思っています。

　「警察協力歯科医」と聞いて、一般の皆さんは「何で歯科医が警察に協力を？」なんて思われるかと思います。

　警察協力歯科医とは、主には大規模災害発生時に、身元不明死体（身元不明のうちは「死体」なのです⇒身元が判明して初めて「ご遺体」となります。）について、指紋その他で個人が特定できない場合に歯科的情報（残存している歯の数・状態・治療痕・かみ合わせの状態・咬耗摩耗の状態・・・・etc.）を採取し、他の情報と併せて取り違えのない身元鑑定をする仕事です。

　警察に協力して「身元不明死体」に、身元が判明した「ご遺体」になっていただき、ご遺族の元にお帰りになっていただくお手伝いをするという、歯医者だからこそ出来得る仕事なのです（災害時ではない平時においても各所轄で出る身元不明死体の歯科鑑定も行います）。

　歯科医師は、平時の一般的な歯科医療提供により「生きている」皆様の健康回復・維持・増進や審美的改善・維持・増進など、これが『本業』であり、これらについて研鑽・努力を続けることは基本中の基本ですが、大規模災害発生時などには、身元不明のまま行き場をなくす「患者さんの最期」が、そのままにならない様に関わらせていただくことも大切な『本業』と私は考えています。

　皆様におかれましては、人生の最期に「警察協力歯科医」に関わられない終わりを迎えて頂きたく切に願っていますが、それが叶わなかったときには、歯科医として警察などと力を合わせて、より確実に、より早くに「戻るべき場所」への道案内はさせていただきたいと思っています。

　昨日の受講生の皆さんもそういった気持ちを熱く持っておられ、真剣に受講し、実習も行っておられました。

運営資料と受講者用テキスト