ここでマスクについて再考です【新型コロナウイルス対策】【感染予防】原歯科医院
光明理化学工業が行った実験で測定された呼気に含まれる酸素の濃度についての文章が下記URLに出ています。
http://www.komyokk.co.jp/pdata/tpdf/O2exp2020.pdf
この発表を見ると、ヒトの呼気中には成人男性平常時で18.5%、女子(14歳)でも18.5%。激しい運動をした成人男性においては16.0%まで落ち込んでいるという結果が示されています。
つまり、一度吸い込んだ空気から酸素を10~20%程度は体内に取り込み、取り込み切れなかった残りの酸素が呼気にて体外に放出されるということですね。
マスクをすると、大気をそのまま吸気する(吸う)のではなく、「呼吸で吐き出した呼気がマスク内に残ったもの+マスク越しで混ざり込む大気」がブレンドされた空気を新たに吸い込むことになりますね。呼吸をするたびに体内に取り込まれた酸素の「残り」=徐々に酸素濃度が少なくなる一呼吸ごとに10%程度の酸素濃度の消費があると考えられます。
①一呼吸目⇒マスクを通して新鮮な大気(酸素21%程度)を吸って、呼気(酸素19%強?)を出す⇒マスク内にある程度残存。
②二呼吸目⇒マスク内に残った一呼吸目の呼気(酸素19%強?)+マスク越しで入ってきた大気(酸素21%程度)がブレンドされ、酸素19~20%になった空気を吸気⇒酸素を体内に取り込み、10~20%酸素濃度が低下した呼気をマスク内に(このときは、マスク内の酸素濃度は多く見積もっても17%強?程度となるでしょう)。
③三呼吸目⇒17%程度の酸素+大気(21%程度の酸素)のブレンド(酸素18%強?)を吸い、酸素16%強の呼気をマスク内に。
④四呼吸目⇒マスク内酸素16%強+大気(酸素21%程度)のブレンド(酸素17%強?)を吸い、酸素15%程度の呼気をマスク内に。
本当にざっくりとした計算ですが、この通りではないとしても、マスクを装着し続けていると、呼吸する空気中の酸素濃度が徐々に低下するのは明らかであると考えらえます。
四呼吸目には既に、吸気の酸素濃度が18%を切ってしまうという計算になります。
ここで、Wikipediaを見ると
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酸素欠乏症(さんそけつぼうしょう、Anoxia、通称:酸欠、さんけつ)は、ヒトにおいては酸素の濃度18%未満の環境に置かれた場合に生じ得る症状である。
ただし、発症する酸素濃度には個体差が見られる。なお、地球の地表付近の空気中の酸素濃度は約21%である。
酸素の不足に対して、最も敏感に反応を示すのは、脳の大脳皮質であり、機能低下から始まり、機能喪失、脳の細胞の破壊につながり、非常に危険である。
酸素濃度と酸素欠乏症の症状
- 酸素濃度16%: 呼吸数増加、脈拍数増加、頭痛、吐き気、集中力の低下
- 酸素濃度12%: 筋力低下、めまい、吐き気、体温上昇
- 酸素濃度10%: 顔面蒼白、チアノーゼ、意識不明、嘔吐
- 酸素濃度 8%: 昏睡
- 酸素濃度 6%: けいれん、呼吸停止
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と、あります。このWikipediaでの記述は、私が大学で得た酸素欠乏症に関しての知識と相違することはありません。
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一般にマスクに期待されているであろう感染予防効果に関してですが、コロナウイルスは基本的に飛沫感染という感染様式で感染していきます。
そのため、マスクにより唾や痰などの飛沫が飛ぶのを防ぐことができるので感染予防効果があると考えられています。
実際にアメリカでは健常者も含めた全員がマスクをすることで最大2%の感染者を減らすことができたという研究報告があり、中国では感染がわかる前から家庭内でマスクを着用することで家庭内感染を79%減らしたという報告もあります。
ウイルスはマスクの網目よりも小さいからマスクは意味がないという反論もありますが、これは空気感染するようなウイルスの場合です。
新型コロナウイルスはインフルエンザウイルスなどと同じく飛沫感染なのでマスクで予防することができます。
更にもう一つの効果として、マスクをすることでコロナウイルスに感染しても重症化を防げる可能性があることが示唆されています。
(世界的な医学誌であるNew England Journal of Medicineに興味深い論説が掲載されました。「Facial Masking for Covid-19 – Potential for “Variolation” as We Await a Vaccine:新型コロナに対するマスク着用- ワクチンを待つまでの“種痘”の可能性」)
これはマスクによりコロナウイルスが体内に入るのを完全には防げなくても、入る数を減らすことができるということが理由だと考えられています。
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上に書きました「いろいろ」から、現段階において私はこの様に考えます。
『公共の場や、他人と近接する可能性が高い状況においては、全ての人がマスク着用をすべき。
ただし、長時間マスク着用のまま過ごすのは脳に回復不可能なダメージを与える可能性があることを理解しておく必要がある。
道を歩く際や広い場所で運動などをする際には、人との近接を避けながらマスクは着用せずに過ごすべき。』
また、
『マスクをして過ごす際には、無意識のうちに口呼吸になってしまう可能性があるので、鼻での呼吸を忘れない様に留意する。』
これも忘れずに・・・
マスクは正しく「ON-OFF」して、感染拡大をくい止めて、明るい将来を迎えましょう!