「噛む」のは何故大切なのか?
「○○ちゃん!よく噛んで食べなさい!」
一度はこう言われた事がある方が多いのではないでしょうか?
何で、よく噛んで食べる事が必要なのでしょうか?
よく噛む→
①大きな食片を小さく粉砕し、のどを通す事が可能な大きさにする。
②噛んでいる間に食べ物と唾液を混ぜる。
③「噛む」という運動で脳を刺激する。
ざっと考えただけで、よく噛むことに、これらの意味がありますね。
「それなら、最初から細かく砕いたものを飲み物と一緒に流し込んだら①や②の必要は無いでしょ。③についても、クイズでもやって脳を刺激すればイイんじゃない。」
なんて方もいらっしゃるでしょう。
違うんだなぁ~これが・・・。(^_^)/
ま、①については、確かに、フードプロセッサーでも何でも使って、細かくしちゃっても良いでしょうが・・・。
味気ない食事にさえ耐えられれば。
何で②が大事?
「唾液」と混ぜる→これ、大事です
唾液には様々な酵素が含まれていて、「消化の第一段階」がここで始まるのです。また、唾液によって除菌・殺菌が期待できたり、「毒消し」まで期待できたりするのです。
同志社大学の西岡一先生の研究報告によると(上の表をご参照ください)、
様々な発ガン性物質を唾液に30秒漬ける実験をした結果、唾液には発ガン性物質の変異原性(≒毒性)を、かなり消してくれる力まであるというのが分かったのです。
ネッ! 「流し込み食べ」がダメな理由がご理解いただけますよね。
では③は?→
ものを噛む運動をしたときに、顎を開け閉めする筋肉や顎関節・歯根膜(歯と歯槽骨を繋いでいる線維の層)・歯肉などが発する信号が脳に伝わることで脳自体の健康維持のためのマッサージ効果の様なものがあるだけでなく、それらの信号が消化に関わる器官(食道・胃腸・膵臓など)が活動を開始するための合図の様にも働いているのです。
「お~い!そろそろ働いてもらうぞ~~~!準備しとけよ~~~!」
という知らせを関係諸器官にしておくことで順調な消化をするのです。
誰だってイキナリ起き抜けに全力で仕事は出来ませんよね。
優しく起こしてもらった方が良い仕事が出来るというものです。
この他にも、「噛む」ことにはいろいろな意味があるのですが、今日はこれくらいで・・・。