Q.O.L. 二兎を追うものは・・・?
Q.O.L.(クオリティ・オブ・ライフ) 医療の現場では、よくこの言葉が出て来ます。
「生活の質」「人生の質」という事ですね。
治療やリハビリなどは「Q.O.L.の維持・向上」に向けて行われるべきだという事です。
「良好なQ.O.L.」とは何でしょう?
病的な苦痛を一切感じる事なく、したい事を無理なく出来て、食べたいものを好きなだけ食べられて、精神的な悩み・苦痛も無い状態で・・・etc.
確かに、この「良好なQ.O.L.」が得られ、維持出来れば、こんなにサイコーな事はありませんね。
しかし、例えば、
「食べたいものを食べたいだけ食べて、連日にわたって夜更かしして遊んで、多数の異性と(ひとによっては同性と?)○○なことや××なことをしまくる。
それでいてバッチリ健康体!しかも悩みは一切ナシ!」
などといった「最良Q.O.L.(?)」を維持し続けるのは無理ですよね。
(私の場合は、身体的&経済的理由により、このレベルのQ.O.L.は、「維持」どころか「獲得」も無理でぇ~す。)
より良いQ.O.L.の獲得・維持のためには、その人が最低限これだけは達成したい!と思っている事(例:クスリを飲まなくても大丈夫な状態になりたい。仕事が出来る程度に痛みを無くしたい。病気になっても良いからこの不摂生を続けたい。など)を明確にして、そこから目指すべき方向について考えて行くしか無さそうですね。
つまり、ひとことで「Q.O.L.」と言っても、その「Life」の主が違えば、「良好なQ.O.L.」というのもそれぞれに特有の「Q.O.L.」が存在するということですね。
我々、医療に関わる人間に必要なのは、患者さん個々の望む「Q.O.L.」を、患者さんと一緒に探すことから始めるという事だと思います。
皆さんに再確認しておいて頂きたい事があります。
(十分にお分りの方も多く、「釈迦に説法」かも知れませんが)
「異なった方向に逃げる二兎は追えない。」(byはらちゃん)
一旦、病を得てしまった場合には、これを忘れずに養生して、良好なQ.O.L.を獲得できる様に頑張って頂きたいと思います。
我々は、そのときの状態・その方の目指す方向などについて皆さんと一緒に考えさせて頂いた上で「追うべき一兎」あるいは「同方向に逃げる二兎(捕獲可能)」を示し、アドバイスさせて頂きたいと思います。