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院長コラム

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天然もの? 人工物?

院長コラム 2016年08月07日

テーマパークなどに行くと、地面に土色の塗料を混ぜた舗装をして、まるで本物の木の様に見えるコンクリートで出来た木(?)に、まるで本物の葉の様に見えるプラスティックで出来た葉(?)が付いているモノが植わって(?)いるのを見かけることがありますね。 (もちろん、全てのテーマパークがこういった工作・工夫をしている訳ではありませんが)

そこに普通の土の地面があって、本当の木が生えていると、そこには虫も付きます。
周囲には雑草も生えるでしょう。
鳥がとまってフンも落とすでしょう。
葉も枯れて落ちることもあるでしょう。
雨が降ればぬかるみます。

パークに遊びに来ているお客さん達に、そういったもので汚れる不快さを味あわせないためや、景観を保つための手入れの手間を軽減するために、コンクリートやプラスティックで出来た“フェイク地面” “フェイク植物”で雰囲気を出しているのでしょう。

たしかに、本来そこに生い茂っていた木々を抜いて整地し、そこに人工的な自然(?)を置いてしまえば、天然の自然(何か言い方がヘン?)を維持するよりもずっとラクチンで綺麗な状態も保ちやすいですね。

でも、そこは“快適な場所”でしょうか?
毎日毎日をそこで暮らしたい場所でしょうか?

そして、周囲の環境まで含めて考えたときに、それは本来在って良い状態なのでしょうか?

テーマパークなどは、そこを訪れる人々が普段の日常を忘れて、その一時の“非日常”を楽しむための場ですので、それはそれで良いとも思います。
しかし、いつも暮らす場所がそうであったら、そこに暮らす人は健康を保てるのかどうか・・・。

本来そこにある自然を、表面上の利便性を優先して人工的な状態にしてしまう事の危険性について今一度考えてみたいものだと思っています。

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何でイキナリこんな事を言い出したか?

実は、従来は“保存困難”と言われていることの多い「歯根破折歯の非観血的保存修復」に興味津々な自分があるのです。

通常、歯根が割れてしまった歯は(割れ方にもよりますが)、割れ目に細菌などが繁殖しやすいこともあって、周囲の組織の破壊に繋がることから、抜歯をして入れ歯やブリッジ、インプラントなどで補う治療(?)が行われています。

しかし、これは、強風に煽られてボロボロになってしまった木を引き抜いて、そこに“木もどき”をあてがい、「これで木も元通り。清潔で快適。」と満足しているのとあまり変わりが無いと思ってしまった私。
何だか味気ないなぁ。。。なんて。

「強風に煽られてボロボロになってしまった木でも、幹の裂け目のゴミなどを取ってやって、上手に補修してやれば、“本来の、完全なる木”までは戻らないとしても、人工物で補うよりはずっとマシな状態に出来るのでは?」
なんて思ってしまいまして・・・。

これを歯根が割れてしまった歯の場合で考えると・・・
何しろ、一度抜いてしまった歯は、同じものは何処を探しても絶対に売ってない。
ダメモトでもトライしてみて、それでダメだったら、その時点で人工物を考えれば良い。

最近では歯科用マイクロスコープや接着材料の発展などもあり、かなり細部まで確実な治療操作が可能になっているのに助けられ、割れた歯根を抜かずにその場で接着してみると・・・
結構これが保つんですねぇ~指でOK

もちろん、歯根破折に至った原因を究明し、それに関しての改善も同時にしなければ保存成功率は大幅に下がります。

割れた歯に異常な力がかかっていた事や、割れた歯に齲蝕が出来ていた事、かみ合わせに異常を作った全身的な要因など、総合的に原因を探り、その改善策も講じた上で、割れた部分の清掃~接着を確実に行う。

この様にして保存した歯根破折歯の多くは、その後も良好に経過しており、周囲の歯肉・歯牙にも悪影響は一切認められません(この治療法を始めたのが最近なので、まだ最大で5年ほどしか経過を追っていませんが)。
少なくとも、破折を認めてすぐに抜歯し、人工物で補うよりも良好な環境が得られているのかな?と感じています。
もともとそこに存在していた物の方が、特別なメインテナンスも必要では無い様です。
(それがラクかどうかは別の話ですが)

皆さんも、最後の最後まで諦めることなく“天然モノ”を保存し、使って行くことにトライしませんか?

“異常な部位は取り去る” “ダメなものはサッサと人工物で補う”
→これが本当の“治療” “治癒”なのかどうかを、もう一度考えてみたいですね。

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